2011年3月15日火曜日

体験談5:妊娠中に乳がん発覚

発症年齢32才
2008年


発見
癌は痛くないとよく聞くが、飼い犬が胸に乗って来た時などに痛かった。

乳がん検診
32才のときだったので、特に受けた事なし。

診断のための検査
触診、血液検査、超音波、X線撮影、造影剤を入れてのMRI、マンモグラフィー、細胞検査、ワイヤー検査など。

診断されたときの気持ち
妊娠中だったので、子供をこのまま産めるのかが一番心配だった。

病院・意志の選択
家庭医からの紹介。家から通いやすい距離にあること。

治療法の選択・意思決定
家庭医、外科医、腫瘍医、産婦人科医、家族との連携、相談の上。

セカンドオピニオン
インターネット、知り合いの医師、家族、他の患者などの話。

治療
左右の全摘。リンパ節切除あり。センチネル生検経験済み。

術後後遺症とリハビリテーション
リンパを切除したので浮腫予防に病院付きのリハビリ師から講習を受けた。しばらく腕が上がりにくかった。未だに右脇は触れた時の感覚なし。温度がわかりにくい、剃刀の使用時痛みがわからないなどの生活上の危険あり。

リンパ浮腫
早くから子供の世話などで腕を動かしたので、幸い浮腫はなし。

抗がん剤治療
髪の毛だけでなく、まつ毛や眉毛も抜けたので、目が痛かった。冬は頭が寒くて毛というものの大切さがよくわかった。体毛が生えて来ないので夏は脱毛をしなくてよい。最終的に治療が終わればまた生えてくるが、しばらくは縮れ毛だったり、細かったり、色が薄かったりした。

放射線・ホルモン療法
経験あり

再発・転移の徴候と診断
幸い経験なし。

再発予防と体調管理
病は気から。なるべくストレスをためないように。体をなるべく動かし、よく食べ、良く眠る。

病気と仕事の関わり
子育て中は病気の事はなるべくオープンにし、周りに理解と協力を求めた。

経済的負担
カナダで全て治療したので、薬代以外特に負担はなかった。

家族への思い
自分の為にも家族の為にも、まず未来在りきの姿勢で臨む。何が数ヶ月後、数年後、数十年後の自分たちにとって一番良いかを考え、機会が与えられたらそれを逃さず早めに実行して行く事が重要だと思う。死というものに直面すると、ただ生きているだけでも素晴らしい事だと思えるから欲がなくなるし、心から自分と家族が大切だと思えるようになった。

周囲の人との関係
いかにオープンにしようと努めても、相手の性格や、経験不足によっては理解が十分に得られない事はままあるが、あきらめず、言葉をつくして思いのたけをぶつけることも重要。もともとどんな次元の話でも、全く同じ経験や感性を持つ人を捜すのは難しい。自分だけでなく、同じような思いいをしている何万人もの人々への理解を深めてもらう一人の橋渡し役としてなら、なにか出来る事があるはず。生きているからこそ思いを伝える事も出来るし、経験した事だからこそ、伝えられる内容もあるはずなのだから。